Street Ball

電気の消された寝室で、俺の火照った身体を、体温の低い碧の指が撫でていく。


熱を奪われていくようで、気持ち良かった。


いっその事、心と体温が同じ温度になってくれれば…。


そうなれば、葛藤も少なくて済むのに。


そんな事を思いながら微睡んでいると、試合の疲れからいつの間にか眠ってしまっていた。


…夢の中で、もう一人の俺が責め立てる。


偽りでも良いからと、温もりを求めて碧のマンションを訪れた事。


翠を重ねながら、碧を抱いた事。


もう一人の俺が、言うとおりだった。


…俺は最低だ。


寂しげな翠の後ろ姿。俺を振り向こうとして消えていく。


魘されているのに気付き、はっきりと瞼が開いた。


額に滲む汗を、手の甲で拭う。