Street Ball

オフェンスに変わり、先程と同じくスクリーンを仕掛けてくる鉄。


今度はセオリー通りに、スクリーンされた右サイドからゴール下へ向かう。


銀髪とディフェンスをチェンジした坊主頭が、俺の行く手を遮る。


泰二からパスを受け、ワンドリブルで後ろへ大きく下がり、フェイダウェイ気味の3P。


弾道の低いボールは、リングの向こう側に当たりながらも、ジャラリとした音を立てながらネットを通った。


20対19。


数分での追い上げに、ギャラリーの沸き立つ声が届いてくる。


左と思わせて右、ドライブかと思わせて3Pシュート。


一人でそれをこなすのは楽じゃなかったけど、開始五分の借りを返さなければならないという思いが、前半終了のコールが鳴るまで身体を動かした。


ハーフタイムを迎えた時には、26対32。


二人への借りは、十分に返せた。