Street Ball

リングへワンハンドでボールを叩き込む。


誰も居ないゴール下でリングにぶら下がるのは、一連の流れの中で決められたシュートの、喜びを噛みしめる時間だ。


20対16。


リングからコートに着地し、そのままディフェンスへ。


右の3Pライン上に位置を決め、自らオフェンスに加わろうとしない銀髪とは距離を空ける。


正確に言えば、オフェンスに加わろうとしないのではなく、オフェンスまで手が回らないのだ。


それだけ、フェイスガードのディフェンスは、体力と精神力を削られる。


相手の一挙手一投足は勿論の事、瞳の動きにまで注意を払わなければならない。


そうでなくては、フェイスガードにしている意味が無くなってしまう。


がむしゃらに動いた疲労とは違い、精神力からくる疲れは中々抜けてくれない。


フェイスガードのディフェンスは、諸刃の剣と同じ…。