Street Ball

「俺だって、伊達に五分間暇してた訳じゃない。鉄、ちょっと耳貸せ。」


説明は、出来るだけ大雑把に終わらせる。


細やかな所まで説明すると、予想外の事態に対処出来なくなってしまう。


自分で考えて行動する。


そして、それが成功した時には、自らの血となり肉となる。


それがプレイヤーとしての財産…経験値だ。


耳打ちを終え、歯を見せて笑う鉄と笑みを交わす。


「面白そうだけど、今度は夏目の負担が半端じゃなくなるぞ?」


「後半からは二人にも働いて貰うさ。先ずは開始五分で開いた点差を片付ける。[REEF]と戦うには、こんな所で手こずってる場合じゃないからな。」


そう、こんな所で足踏みしてる暇はないんだ。


勝ち上がってくるであろう[REEF]の待つ決勝へ、一気に駆け上がってやる。