Street Ball

「良く考えてるチームだな。」


俺の分も動き回らなければならなくなった二人は、膝に手を置いたまま流れる汗を顎先から滴らせている。


「ディフェンスが主軸のチームだろ?」


途切れ途切れになりながらも、手の甲で汗を拭う泰二が言葉を発した。


プレイヤーの立場から見ると、どうしてもオフェンスの方に力が入る傾向にある。


その集中力をディフェンス注ぐ事で、一本一本のシュートを疎かに出来ないと自らに言い聞かす。


結果として、貴重だと思い込んだ一本を、より確実に決めようとする。


精神的に見ても、実に理に適っている戦法だ。


だが、頭では理解出来ても、一朝一夕で意識改革が行われる筈がない。


それが分かるだけに、手強い相手だ。


「だけどそれだけじゃない。ガードが主体のチームでもある。全てのプレーに迷いがない。」