Street Ball

自分達のオフェンスが終わると、銀髪は直ぐ様俺に張り付いてくる。


右へ行こうと思えば、身体で進路を塞ぐ。


左の場合もまた同じだった。


半身で構える普通のディフェンスと違い、徹底的に相手の動きを封じるフェイスガードは、動きが一歩遅れる事はない。


得点源の一つを奪われた泰二は、鉄にパスをするしかなくなる。


それが分かっていれば、坊主頭がパスカットするの事は難しくない。


案の定、鉄にパスが通る直前に、背後から飛び出した坊主頭がカット。


そのまま自らが３Ｐラインまで出て、中へ入り込んできた茶坊主へパスを出した。


綺麗なレイアップは、手元が狂う事なくリングの中へ。


６対５。


嫌な流れを断ち切る為に、前半開始五分の時点でタイムアウトを告げる。


額から汗を流す二人を引き連れ、コートの端に向かった。