Street Ball

眠っていた心臓が飛び起きたかのように、動悸が再び激しさを取り戻した。


燃え尽きた紙切れを道路に落とし、バッシュの裏で踏みつける。


その間にも、右手は自然と携帯に伸びていた。


開いたディスプレイに点滅する、十一桁の番号。


うろ覚えではあったが、つい数十秒前にかけた番号と同じだと思った。


「…もしもし?」


向こう側の音に耳を澄ましてみると、様子を伺っているように静か。


「もしかして…夏目君?」


緊張が筋肉に力みを与える。


無意識のままに、左手の人差し指と中指で挟んでいたスピリットが、地面に落ちていく。


「そうですけど、誰ですか?」


「誰って言われてもねぇ…私の名前を言った所で、夏目君は私の名前を知らないでしょ?」


確かに名前を言われても、俺には確認の取りようが無い。