壁伝いの石柱に掲げられた表札は、泰二の名字と同じ佐野だった。
半ば確信しながらも、恐る恐る門を開けて中に入る。
玄関の前まで行くと、二枚のフェザーがぶら下がる左耳に、泰二の声が聞こえてきた。
「夏目、こっちだこっち。」
縁側に腰掛けて手招きする泰二の方に歩いていくと、ボールを脇に抱えた鉄も居た。
「どうよこれ。跳ね返り方は違うけど、シュート練習は出来るし、狭いのを我慢すれば1on1も出来るぞ。」
そう言って泰二が満足そうに眺めるのは、家庭用のバスケットリングだった。
一階の屋根より少し低めに設定されたリングは、[SB]横のコートに有るリングと同じぐらいの高さ。
「コレ、どうしたんだ?」
「へへへ。Street Ballで稼いだ金で買った。まぁ、先行投資ってやつかな?」
三試合のStreet Ballで稼いだ金は、一人頭十万と少しまで増えていた。
十六歳で十万と言えば、そこそこの大金。
家庭用の良い奴を買っても、半分以上は手元に残る筈だ。
半ば確信しながらも、恐る恐る門を開けて中に入る。
玄関の前まで行くと、二枚のフェザーがぶら下がる左耳に、泰二の声が聞こえてきた。
「夏目、こっちだこっち。」
縁側に腰掛けて手招きする泰二の方に歩いていくと、ボールを脇に抱えた鉄も居た。
「どうよこれ。跳ね返り方は違うけど、シュート練習は出来るし、狭いのを我慢すれば1on1も出来るぞ。」
そう言って泰二が満足そうに眺めるのは、家庭用のバスケットリングだった。
一階の屋根より少し低めに設定されたリングは、[SB]横のコートに有るリングと同じぐらいの高さ。
「コレ、どうしたんだ?」
「へへへ。Street Ballで稼いだ金で買った。まぁ、先行投資ってやつかな?」
三試合のStreet Ballで稼いだ金は、一人頭十万と少しまで増えていた。
十六歳で十万と言えば、そこそこの大金。
家庭用の良い奴を買っても、半分以上は手元に残る筈だ。


