濡れた髪をタオルで拭きながら、ランニングの途中で買ってきたスピリットの箱を持って部屋に戻る。
タオルを首にかけ、スピリットのパッケージを開けていると、置いていった携帯が等間隔で点滅を繰り返していた。
箱の底を人差し指で弾き、顔を出した数本の中から一本抜き取って火を付ける。
着火石の痕が親指に残り、ガスの微臭が鼻と上唇の間を漂う。
携帯をチェックすると、不在着信の主は泰二。
右手に煙をくゆらせるスピリットを挟みながら、泰二に折り返しの電話をかける。
「おぅ夏目か、何だよ、もしかして未だ寝てたのか?」
「違ぇよ。ランニングに行ってきたんだっつーの。」
伸びてきた灰をゆっくりと灰皿の上へ移動させ、人差し指で叩いて穂先を揺らす。
先が鋭利に尖ったまま落ちた灰は、アルミ製の灰皿の上で力無く形を崩した。
「これから何も無いんだろ?鉄も居るから俺ん家に来いよ。場所分かるか?」
前に何となく聞いていたので、行けばどうにかなると思うと泰二に告げて電話を切った。
泰二の家か…初めてだな。
タオルを首にかけ、スピリットのパッケージを開けていると、置いていった携帯が等間隔で点滅を繰り返していた。
箱の底を人差し指で弾き、顔を出した数本の中から一本抜き取って火を付ける。
着火石の痕が親指に残り、ガスの微臭が鼻と上唇の間を漂う。
携帯をチェックすると、不在着信の主は泰二。
右手に煙をくゆらせるスピリットを挟みながら、泰二に折り返しの電話をかける。
「おぅ夏目か、何だよ、もしかして未だ寝てたのか?」
「違ぇよ。ランニングに行ってきたんだっつーの。」
伸びてきた灰をゆっくりと灰皿の上へ移動させ、人差し指で叩いて穂先を揺らす。
先が鋭利に尖ったまま落ちた灰は、アルミ製の灰皿の上で力無く形を崩した。
「これから何も無いんだろ?鉄も居るから俺ん家に来いよ。場所分かるか?」
前に何となく聞いていたので、行けばどうにかなると思うと泰二に告げて電話を切った。
泰二の家か…初めてだな。


