「どーせ、また俺ん家だろ。」


口元から涎を垂らしそうな鉄に、冷ややかな視線を送る。


「此処から一番近いんだから良いじゃねーか。なぁ泰二?」


鉄に同意を求められた泰二は、苦笑いを隠しながら俺の肩に手を置いた。


四人でコートを後にし、冷房が汗を乾かす店内に入る。


店内には、買い物客となったギャラリーが数人。


数人の中に、あの女性の姿を探している自分に気付き、一人苦笑いを漏らす。


「じゃあ、また来週ね富さん。」


試合結果など気にもしていないだろうが、通り過ぎ様に声をかけて自動扉に向かった。


「ん?そうか、[HEAT]が勝ったのか。じゃあ、また来週な。」


富さんの声を背中に聞きながら、四人で[SB]を出た。