Street Ball

フリースローラインまで上がってきた鉄にパスを出し、右サイドからゴール下へ切れ込んでいく。


ゴール下間際で、鉄からのバックドア。


敗者復活戦の第一試合で、鉄と泰二が最初に魅せたコンビプレーだ。


右サイドの最深部に抜けていった泰二とは違い、俺はリングを背にしてのバックダンク。


一か八かの同点ゴールより、最も確実な二点を選んだ。


26対25。


流れるように決まったコンビプレーが気持ち良く、鉄と満面の笑みを交わす。


相手チームのオフェンスは、3Pラインまで飛び出たスキンヘッドがシュートを放ったが、リングの縁に当たって零れた。


目の前に大型冷蔵庫が飛んでくれば、誰だって萎縮してしまうだろう。


真剣さが迫力に化けた、鉄のディフェンスが勝利した。


鉄の代わりにリバウンドを拾い、ガードの位置に居た泰二へ一旦ボールを出す。