Street Ball

「俺達は最初から騙されてたんだ。あのスキンヘッドは、元々フォワードだったんだろう。それなら全て説明が付く。」


「俺と夏目がマークしている二人は、元ガードって事だな?壁を使ったミドルシュートが使えなくなって、スキンヘッドが元の位置に戻ったって事か…敵ながら巧いな。」


泰二の言うとおり、上手いよりも巧いんだ。


「じゃあ、俺がゴール下を捨ててディフェンスに行けば良いんだな?」


ポジション取りで身体をぶつけ合うゴール下は、他のポジションより疲労の蓄積が激しい。


その上ロングシュートも止めに行くというのは酷なようにも思えたが、今はそれ以外の名案が思い浮かばなかった。


短いハーフタイムの終了を告げるコールが、DJブースから響く。


「良し、それでいこう。鉄はディフェンスの範囲を広げてシュートブロック、それで借りは無し。泰二は約束通りもう一本3Pな。」


三人で軽く拳を合わせて、コートへと戻った。


全員がポジションに付いたのを確認し、ゆっくりとドリブルを始める。