Street Ball

金髪と接触する刹那、右ドリブルから背中を通し、3Pラインの外で待ちかまえていた泰二へパス。


俺からのパスを貰って、直ぐにシュートモーションに入り、左手の中指と薬指を綺麗に伸ばしてシュートを放った。


最初からそう決まっていたかのように、ボールはリングへ吸い込まれていった。


DJブースから響く低音にも負けず、鎖のネットを揺らすジャラリという音が聞こえる。


シューターとしてクールなプレーを心掛けている泰二が、珍しくガッツボーズをしていた。


23対23。


漸く同点まで追い付いたものの、此処で気を許しては意味が無い。


三人共、相手へ張り付くようなディフェンスでプレッシャーをかける。


スキンヘッドの壁を使ったプレーなら、もう点を入れられる事は無い。


だが金髪からのパスは、全く予想外の方向へ飛んでいった。


ボールは左サイドの最深部へ向かったが、誰もがパスミスだと思ってその行方を見守っていた。