Street Ball

鉄が着地する前に飛び、リングに弾かれたボールを、ワンハンドのダンクで押し込んだ。


ダンクに沸き立つギャラリーは、賭けたチームじゃないのを思い出すと、皆一斉に突き上げた手を下ろした。


23対20。


ハーフタイムで冷静さを取り戻し、攻守の切り替えが早い相手に合わせ、意識をディフェンスに切り替える。


金髪からのパスは、思惑どおりにスキンヘッドへ通った。


走り込む金髪に泰二が付いていくが、スキンヘッドの壁に阻まれる。


「鉄、スイッチだ。」


泰二の声と共にディフェンスが入れ替わり、金髪の放ったシュートは、圧倒的身長差の鉄にカットされた。


「こっちだ鉄!」


攻守の切り替えを分ける為に、鉄からパスを貰って3Pラインを越える。


慌ててディフェンスに来た蓮の彫り物を、得意のバックチェンジ二連発で抜き去った。


未だディフェンスへの切り替えが出来ていなかった金髪が、俺の行く手を遮ろうとする。