Street Ball

「あの壁を使ったセットプレーには、ディフェンスを交換で対応。五点差は俺が後半スタート時に埋める。それで行こう。」


「いや、五点差は俺の3P二本で埋めさせてくれ。もう少しでモーションを取り戻せそうなんだ。」


懇願にも似た泰二の表情を見て、俺と鉄に言う事は無かった。


「まぁ気楽にいけよ。俺がリバウンドを引き受けてやるから。よしっ、後半戦開始だ。」


俺がガードの位置へ上がり、泰二が左フォワードの定位置へと落ちた。


鉄へパスを入れ、そのまま中へ走り込んでいってリターンパスを貰う。


ゴール下に金髪の視線が向けられた隙を突き、泰二が左サイドの最深部迄走り込んでいる。


泰二へパスを回し、俺はその足でゴール下を潜り、元居たガードの位置まで戻った。


綺麗な弧を描くボールはリングに向かい、縁に当たって見事に真上へと弾かれた。


タイミングを見極め、俺もゴール下へと走り出す。


落ちてきたボールはもう一度リングにぶつかり、リバウンドに飛んだ鉄はタイミングがずれた形となった。