Street Ball

「兎に角早いな。」


呼吸を整えながら、タオルで汗を拭いていく。


「早い、攻守の切り換えが、俺達がシュートを放った時から始まってるんだ。3Pの位置に居る俺からは良く見える。ゴール下はどうだ?」


「リバウンドを競う訳でもないし、何だか張り合いがないな。でもあっちのオフェンスを止めない限り、あの五点差は縮まらないぞ。」


二点に二点を返していては、一向に点差は縮まらない。


こんな時に、泰二の3Pの威力がどれ程のものかと気付かされる。


「先ずはあの壁プレーをなんとかしよう。あれじゃ幾ら身長差が有っても意味が無い。」


ヘアバンドの位置を直しながら、泰二が口を開いた。


毛先にパーマをかけている為、炎がちらついているように見える。


「あそこでディフェンスを交換したらどうだ?あのスキンヘッドなら、身長は俺や夏目と変わりないし。」