空中でボールをキャッチするプレーは、アリウープと呼ばれる。


鉄が今魅せてくれたプレーは、アリウープのダブルハンドダンクというプレーだ。


鉄がリングにぶら下がっている為、バックボードは悲鳴とも思える軋み音を上げている。


それからは三人で様々なコンビネーションを試し、ポジションが確定した。


元々左利きの泰二は、3Pとガードのポジション。


泰二の特殊なバスケットセンスは、シューターよりパサーとしての方が発揮出来るだろう。


鉄はそのまま左右を兼ねるセンター。


オフェンスディフェンス構わずリバウンドを取る、チームの大黒柱だ。


俺も泰二と同じく、右サイドからの3Pとガードのポジション。


そして中へ切れ込むドライブも受け持つから、どちらかと言えば泰二よりは純フォワードに近い。


頭皮から顎先に伝わる汗は、乾ききったコートに落ちると、吸収されるかのように蒸発した。


出来る事はやったから、あとは明日の試合で勝つだけだ。…。