Street Ball

「富さん、敗者復活戦の枠って未だ空いてる?」


三人共一本のタバコを吸い終わった後、[SB]の扉を開いた。


少しだけ遠くから聞こえてくる叫声に、興奮を抑えながらの一服。


雑誌から視線を上げ、富さんは泰二と鉄を交互に見た。


「お前…夏目だっけ?この間夏目が助っ人に入ったチーム有っただろ、彼処がメンバーが足りなくて欠場になった。」


飛び上がりたい気持ちを必死で押さえ込む。


「じゃあ其処に俺達のチームを入れてくれ!」


富さんは、壁に掛かってあったホワイトボードを手に取り、ペンのキャップを外した。


仄かにマジックの匂いが漂ってくる。


「チーム名は?」


「[HEAT]だ。」