Street Ball

体育館脇の芝生の上で、俺は一人で昼飯を食っていた。


それを見かけた泰二が話しかけてきた時、泰二の親が離婚している事を聞いたんだ。


未だ泰二は小さかったから、直接の離婚原因は知らないが、不仲だったらしいと漏らしたのを覚えている。


俺が相棒と飯を食わないのかと聞くと、鉄は家族で食ってるからと泰二は答えた。


一緒に食おうと誘われても、何だか気兼ねしてしまって断るのだとも。


泰二にそう聞いていたから、鉄は幸せな家庭に育ってるのだと思っていた。


まぁ、俺の家庭環境が不幸せかと聞かれれば、普通と答えるだろうけどな。


「別に気にしてねぇから。気にしてたらこんな事話さないしな。それより、昼間の話しを詳しく聞かせてくれよ。」


さっきのお返しとばかりに、鉄は似合わない笑顔を見せた。


「俺の口から説明するより、直接見た方が早いかもな。」