Street Ball

泰二に促されるまま家を出ると、階段の下に大きな人影が見えた。


そのまま泰二の後ろを付いて階段を下りると、ばつの悪そうな顔をした鉄が俯いている。


「あの後、和希…弟から事情を聞いた。それでな、疑って悪かった。それに昼間も…。」


いまいち状況を飲み込めなかったが、口下手に謝る鉄の姿が可笑しかった。


「わざわざそんな事言いに来たのか。別に気にしてねぇよ。」


「こういうのはキチッとしとかないと、気が済まない奴なんだよ鉄は。弟と妹、鉄に似てなかったろ?」


俺と鉄の姿を見ていた泰二が、軽口で間に入った。


確かに弟は華奢だったし、妹は瞳がくりんとした二重の可愛らしい子だったな。


「うるせぇなぁ。俺だけお袋似なんだよ。」


…お前のお袋さんってどんなんだよ。