「あーーっ!それ!」
うるさっ……。
さっきまで一人で爆笑していた沖田さんは、急に目付きを変えて、ビシッと金平糖を指さした。
……どうしたんだろう?
「その金平糖、私のですよ!ずっと探してたんです!平助あたりが持ってったと思ってましたが、どうして芳乃さんが⁉」
「え、これ藤堂さんに……」
そこまで言って、ふっと思い出した。
藤堂さんが発した言葉を。
“実はそれ、とある人からかっぱらったんだけど、そいつに見つかるとやっぱりやばいかなーっと思って……”
とある人って、沖田さんだったんだ。
私は慌てて、言葉を重ねる。
「とっ、藤堂さんがくれたんですよ!わ、私がお腹すいたって言ったら!」
「やっぱり平助でしたか……とにかく、それ返して下さい」