闇ノ花





京の町に咲き誇る、大きくてきれいな桜の木に近寄り、その幹に手を当てる。


──新撰組のみんな……。


時代が変わりました。


年号も、“江戸”から“明治”に移りました。


藩もなくなり、代わりに県が置かれました。


……日本は、何もかもが変わりました。


だけど──。


みんなの信念だけは、変わらなかった。





「ほら、早く行くぞ。屯所も見たいんだろ?」


「あっ……うん!待ってー!」





そう叫びながら、山崎の後ろ姿を追い掛ける。


笑顔になりながら、山崎の顔を見上げた。


すると、不意に顎を軽くつかまれ、唇を落とされる。