「小松……」 私にも声がかかり、思わず背筋を伸ばす。 土方さんは、穏やかな表情を浮かべ……私の肩に、ぽんと手を置いた。 「──生きろ」 そう言って、私の横を通り過ぎていく。 ……涙が溢れてきた。 「はい!今まで……ありがとうございました!」 振り返って、大きな声で返事をする。 ──土方さんの背中を見るのは、これが最後になった。