「副長、何故ですか」 「もうお前の仕事は終わった。お前はもう、充分働いてくれた。……小松と江戸へ向かい、佐藤彦五郎という人の所へ行け」 どうして……。 疑問に思ったのは、山崎も同じみたいだった。 「しかし……!俺にもまだ出来ることがあるはずです!」 「これは、副長命令だ」 土方さんがそう言うと、山崎は唇を噛んで……ぐっと身を引いた。 しかしこれは、山崎が必要ではなくなったとか、そんな意味ではないことは事実だった。 土方さんは厳しい表情を浮かべながらも……その声色は、優しかったから。