その銃口は私に向けられている。
だけど……。
グサッ!という音と共に、その男の手から銃が滑り落ちて、男は地面に倒れていった。
今起きた状況に、思わず目を見開いた。
ふと、隣を見る。
「山崎……っ」
山崎の手には、いくつかの苦無が握られていて、そのうちの一つが男の腹に刺さっていた。
すると……お爺ちゃんが、苦しそうに息をし、
少し微笑みながら告げる。
「小松家と山崎家……今ので、和解成立じゃ……」
「お爺ちゃん……!」
涙で視界がぼやける。
「芳乃……後はお前次第じゃ……。
山崎烝、芳乃を頼む……」
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