「お爺ちゃん……っ!」 「芳乃……」 お爺ちゃんに駆け寄り、体を揺する。 胸から、とめどなく溢れ出てくる鮮血──。 山崎も、私の隣にしゃがみ込む。 お爺ちゃんの虚ろな目が私に向いた。 そして……バタバタと走ってくる誰か。 「新撰組の者を庇ったという事は、お前もそいつの仲間か⁉」 「……っ!」 さっき、山崎に銃を向けていた人だ……。 男の目は、しっかりと私を見据えている。 どうすればいいか分からなくなって、手が震えてくる。 カチャリと、音がした。 ──男が銃を構えたんだ。