「……っ!」 男が引き金に指を当てたのが分かった。 山崎は、そことは正反対の方向を向いて……もっと先の、新撰組を見ていて……。 「や……山崎ーーーっ!」 考えるよりも前に、体が勝手に動いていた。 今までにないくらい、全力で……途中で転びそうになりながらも、駆けていく。 しかし、自分が大声を出したことで、敵は慌てて銃を再度山崎に向かって構え直した。 山崎が私の方を見た。 早くよけてよ……っ! 「よ……しの……?」 泣きそうになりながら、山崎の体に抱きついて目を瞑る。