闇ノ花





だけど山崎、何をやっているんだろう?


山崎は木に隠れて、新撰組の様子をじっと見つめていた。


もしかして密偵をしていて、それをこれから土方さんに報告するとか?


やめておいた方がいいのに……ここは、絶対に危険だ。





「……芳乃、行くぞ」


「あ……何あれ……?」





その時、山崎よりももっと先にある人影を見つけた。


ドクンと心臓が跳ねる。


その人は……新撰組のような着物を着ていなかった。


代わりに、真っ黒な洋服を着ていて……。


そして手に持っているのは、大きな銃。


──その銃口は、山崎に向けられていた。