「……これが、戊辰戦争じゃ。
幕府軍は、主に刀や槍で戦う。
敵と同じように鉄砲も使うが……その最新式の銃に、適うはずがなかった」
「……っ」
「長州藩などの新政府軍は、天皇の味方である“官軍”。そして、対する幕府軍は……“朝敵”と呼ばれ、天皇の敵となるのじゃ」
──何が、今度こそ守ろうだ。
忍の私に……しかも、弱くなった私に何が出来る?
「恐らく、今は鳥羽伏見の戦いの最中じゃ。戊辰戦争は、まだまだ続くのか……」
「そんなに続くの?」
「……そうじゃ。幕府軍は、なかなか降伏しなかったからな」
「そうだったんだ……」
また、涙が溢れた。
幕府と新撰組は、諦めなかった。
新撰組は最後まで、戦った……。
それに感激する気持ちと、早く降伏して無事に生きてほしいという気持ちが、自分でも分からなくなるくらい……複雑に、混じり合う。

