── ─── ──── 「お爺ちゃん、出来なかった。殺すなんて無理だった……」 お爺ちゃんの元に戻り、泣きそうになって訴える。 前までは、お母さんとお父さんの敵を討つんだって……必死になって、腕を上げて強くなった。 ……でも、その相手が山崎。 私のその決意は……確実に緩んでいた。 そんな私の横を通り過ぎていく風。 側でパチパチと燃え上がっている小さな焚き火。 私達は今、野宿をしていた。 でも、私には寒さも暑さも感じられなかった。 ……それだけ、悲しかったから。