闇ノ花





『離してよ!母様と父様の所に行かせてよっ!』


『……君は死なせないから』


『うるさいっ、早く離して!』


『静かにするんだ。……死にたいのか』


『母様と父様が……っ』





男の子は、私の口を再び塞いだ。


遠くで行われている、激しい戦闘。


私は、涙をぼろぼろと流していた。


そして……その頭を、優しく撫でている男の子。





『大丈夫だ』





それから、その状態は長く続いた。


男の子が私を抱きしめて、頭を撫でている状態が──。