『ねぇ!やだよ、母様!』 何で……何で? 『母様……父様……!』 この光景は、見たことがある……? 今、鮮明に蘇ってくる。 ──その時だった。 この時の私よりも少し年上の男の子が、出てきたのは。 男の子は私を後ろから捕まえると、私の口を塞いでいた。 『は、離して……っ』 『……駄目だ、早く隠れないと』 男の子はそう言うなり、私の腕を引っ張って家の裏まで連れていく。