── ─── ──── 『……芳乃、今日の月は綺麗ね』 『うん!母様!』 『ふふ、こんな月の下で寝られれば、きっといい夢が見られるわよ』 また、この感覚。 私が上から、見下ろしている変な夢。 だけど、今回は何かが違った。 まるで……遠い昔の記憶が、蘇ってくるかのようだった。 あぁ、やっぱり思っていた通りだ。 あの女の子は……私だ。 そして、その子の隣にいるのは、私のお母さんだ。 お母さんは、障子をスッと閉じた。