「しばらく経ったら、今の事を局長と副長に報告する。いいな?」
「うん……」
何だか腑に落ちない気持ちだ。
もやもやした心を抱えているうちに、山崎は土蔵から出て行ってしまった。
ぽつんと一人になり、短く息をつく。
……とにかく、早く元に戻る方法を考えよう。
それに何より、早く戻って……復讐を果たさないといけないのだ。
幕末に飛んでしまったから、現代にいる憎い相手に復讐をする事は出来ない。
だけど、それまでに体を鍛える事が出来るはずだ。
だから、新撰組の屯所から出られるようになったら、どこかで働かせてもらって、また夜の町に出よう。
未来に帰る方法を考えながら──。

