意味分からない。 全然、分からないよ……。 “あれ”って何なんだろう? 私は何を、忘れているの? 「お前は思い出さなくていい」 「嫌だよそんなの!教えてよ!」 「……」 「山崎っ!」 山崎は私に何も言わずに、部屋から出ていってしまった。 障子が閉まる音だけが響いて、それから静寂が漂った──。