── ─── ──── 朝になるのは、あっという間に感じられた。 「……」 だけど、隣を見ても山崎はいない。 代わりに、布団にも入らず、筆を持ったまま机に突っ伏して寝ている土方さん。 私の体には、掛け布団が二枚かかっている。 きっと、土方さんがかけてくれたんだ……。 起き上がり、そのうちの一枚を土方さんにかける。 ……やっぱり昨日のは、夢ではなかったんだ。 私、山崎に……断られたんだ。 うーん……よし、忘れよう! 私は、パンパンッと頬を叩くと、障子を開いて廊下に出た。