「ご、ごめん……急に言われて、困るよね?」 「……」 「ほんとごめん、忘れ……」 「──すまない」 忘れてって、言おうとした。 だけど…… それは、はっきりと告げた山崎の言葉によって、遮られてしまった。 「……え…」 「すまない……」 山崎は、たったのその四文字を繰り返すと、私に背を向けて、今度こそ行ってしまった。