「私、何かが起こりそうで怖い……だけど、それが起こる前に助けたい」
「……」
「監察方に戻ったのは、それも一つの理由だから」
そう言ったら、もう涙は止まっていた。
守りたいのなら、自分の弱さに立ち向かわなくてはならない。
私は、心も弱い……それに、忍の力も確実に弱くなってきてしまっている。
だけど、守る為には、それに抗わなければならない。
……そういう風に考えられるようになったのは、きっと新撰組のお陰だ。
今までは、ただただ自分の為に強くなろうとしていたから。
復讐したいという気持ちはまだあって、それは今も変わらないけど。
新撰組を守りたいという気持ちも、それに負けないくらいある。

