闇ノ花





そんな淡い期待は……あっさりと、裏切られてしまった。


藤堂さんの額には、深い傷がある。


きっと、池田屋事件の時に斬られた物だ。


藤堂さんは、どんな事件にも真っ先に斬り込んでいって……私の事も、何度も助けてくれて。


金平糖……沖田さんから奪った物だったけど、私の為に気を遣ってくれたのも、藤堂さんだった。


──だけど。


悔しくて、涙が溢れてくる。





「私達を、嫌いになったとか……そんな理由では、ないですよね?」


「それは、もちろん。みんな大切な仲間だよ」


「じゃあっ、何で……」





そう聞いても藤堂さんは目線を下に向けて……





「ごめん」





何度も、そう言うだけだった。