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「──平助っ、お前、俺らを裏切るのか⁉」
何だか、庭が騒がしい。
少し外に出てみると、そこには藤堂さんの前で怒鳴りつける原田さんの姿があった。
まさか……もう、みんな知ってるの?
藤堂さんが、新撰組を離隊する事を。
「ごめん」
だけど、藤堂さんはごめんの一点張りだ。
私もそこに駆け寄り、藤堂さんの目を見る。
「本当に、行くんですか」
「……もう、決めたんだ。ごめん、芳乃」
「……っ」
だけど、しっかりと見据えられてそう返される。
──まだ私は、嘘だって言ってもらえると期待していた。

