嘘でしょ……? 嘘だって言ってよ。 藤堂さん、今なら間に合うから、早く。 自分は新撰組と生きますって、言ってよ。 「僕は……伊東さんに、ついて行きます」 ……! 何で? “魁先生”って呼ばれて、隊士に慕われていたじゃん……なのに、何で? また……新撰組から、仲間がいなくなってしまうの? 目の前が真っ暗になり、それから伊東さん達の話は全く耳に入らなかった。 藤堂さんの過去を何も知らない私は……ただただ、不満と悲しさで胸がいっぱいで、それが全部涙となって……溢れ出そうになった。