「あの、ここはどこなんですか」 もしかしたら京都かもしれない、とは思っていたけど。 これだけは確認しておきたい。 「お前……ここがどこか分からないくせに、そんな間者みてぇな格好していたのか?」 「はい」 「ここは……京の新撰組屯所だ」 「……」 そうだった。 そういえば、新撰組屯所って書かれた表札があったんだった。 ……あ、そうだ。 私は、昨日奴に質問しようとして結局しなかった事を、この男に聞いてみる事にした。