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「……で、その女が山の中にいて何かをしていて、その格好からしてどこかの間者だろう、という事か」





別の部屋に移された私は、二人の男の前に座らされた。


奴は、私の後ろに座っている。


……この二人のどちらかが局長で、どちらかが副長か。


片方の男は目を閉じていて、もう一人はさっきから眉間にしわを寄せている。


その男が、再び口を開いた。




「で、女。生まれはどこだ」


「……東京です」





もう、一度口を開いてしまったし……私は観念して、何もかもを正直に話してしまおうかと思った。


それに昨日、正直に言わなければ、体に痛みを叩き込むって奴が言っていたし……。