── ─── ──── しかし──。 その願いは、呆気なく崩れ落ちてしまった。 屯所には、絶望的な顔をした沖田さん。 目には、僅かに涙が滲んでいる。 そして……。 「ただいま戻りました。……お手数おかけしてすみません」 いつものような、穏やかな表情の山南さん。 その山南さんの前に、近藤さんが歩み寄る。 「……貴方は本当に……本物の、武士です」 近藤さんが、絞り出すように続きの言葉を発する。 「──貴方に切腹を命じます」