まだ、この時代でやらなくてはいけない事があるような気がするから。 私は、戻らない──。 心の中で、念を押すように呟く。 すると刀は、スーッと空気に紛れるように消えていった。 私が唖然としていると、山崎も瞬きを繰り返しながら、さっきまで刀があった場所を見つめる。 「……今のは、何だったんだろうな?」 「さ、さぁ……?」 山崎の疑問に曖昧な返事を返し、何故か急に現れた刀の事件は終わった。 ──こんな事もあったりしたから、私は気付かなかった。