──
───
────



「局長!西本願寺は人々の信仰を集めている由緒ある寺です!そのような場所に移転など礼儀に反するのでは……っ」


「これは伊東さんも賛成しています。反論はしないで下さい」


「しかし……!」





もう夜なのに、何だか廊下が騒がしい。


山南さんと近藤さん……?


どたどたと、二人の気配が部屋の向こうを通り過ぎる。


西本願寺……って、聞いた事あるようなないような。


何だかよく分からないけど、少し体を起こしてみる。


山崎の言う事に素直に従ってずっと寝ていたら、痛みは大分薄れてきた。


……よし。


久し振りに、庭に行ってみようかな。


私は起き上がると、障子を開けた。