何なのこの男……。 何で、キスなんか……。 涙が出てきそうだったけど、こんな奴の前で泣いてたまるか。 私はキッときつく睨みつけると、手を振り上げた。 途端に、バシンッ!と派手な音が響く。 伊東さんの頬をぶっても、怒りは収まらない。 それとは裏腹に、流れてきそうな涙。 こんな奴の前で……泣きたくなんかない……。 私は、その場から駆け出した。