「美味しい~!」
甘いあんこはやっぱり美味しい。
私の隣で、しゃかしゃかと音を立てる山崎。
山崎は、茶碗の中に抹茶を少し入れ、熱そうなお湯も入れ……茶筅(ちゃせん)でお茶を点てていた。
「山崎、茶道出来るの?」
「アホか。点前は出来ないが、茶を点てる事など誰にでも出来るだろ」
……あ、そうか。
だって、ただ茶筅でしゃかしゃかやればいいだけだから。
「飲め」
お饅頭を食べ終わった頃に、山崎はお茶を出してくる。
「美味しい……」
一口飲むと、さっき甘い物を食べたからか、苦いお茶がすごく美味しく感じた。

