「……小松」 「ん?何?山崎」 山崎が、箸で私が切った豆腐をつまみながら話しかけてくる。 私は山崎の方は見ずに、美祢さんが作った沢庵を頬張った。 「今は、女中の仕事に励め」 「……へ?あ、うん」 「監察の仕事は、やはりお前がいないと進まない。俺は……待ってる」 ……それって、私が監察方に戻る事をなのかな。 山崎……優しいね。 自然と、目頭が少しだけ温かくなる。 ──何で私は、あんなにマイナスな方向に考えていたのだろう。