「その大根を切ってね」 「はいっ」 私は、あまり使った事のない包丁と格闘していた。 何だかこれ、苦無と違って扱いずらいし! 美祢さんは凄いなー、と尊敬する。 だって、毎日こんなの持って料理してるんでしょ? 「芳乃ちゃん?」 「はい?」 「ふふ、怪我したら危ないから、慌てないで。……私本当に、久し振りに女の子と一緒にいられて嬉しい」 「私も……ですっ」 ドンッと、包丁がまな板に勢いよくぶつかる。